彦星が船をこいで織姫に会いに〜天の川の歌碑を巡る〜
立ち止まって読んでみたら「へ〜、こんな和歌があるのか〜」と感心したり、その和歌を詠んだ昔の人の想いに共感したり、どんな生活だったのだろうと想像してみたりと、しばし現実とは違う世界に誘ってくれます。
実際どこにどんな歌碑があるのか、調べてみました。
第2回は、交野市星田北1丁目。
天の川にかかる交野橋近くの天の川緑地にある歌碑をご紹介します。
天の川の七夕万葉歌碑
天の川 梶の音聞こゆ 彦星と 織女と今夕逢ふらしも
あまのがは かぢのときこゆ ひこぼしと たなばたつめと こよひあふらしも
【意味】
天の川で 梶の音がしている 彦星と 織姫星とが 今夜逢っているらしい
出典:万葉集 柿本人麻呂
参照:織姫ねっと
これも万葉集に載っていて、「柿本人麻呂」という歌人が作ったものです。
「柿本人麻呂」は飛鳥時代の歌人で、万葉集の中でも代表的な歌人だそうです。
万葉集には人麻呂の句が、長歌19首、短歌75首が掲載されています。
また、平安時代の和歌の名人36人の総称でもある「三十六歌仙」の一人です。
小倉百人一首の
「あしびきの 山どりの尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む」
の句も柿本人麻呂の句ですよ。
参照:Wikipedia
この歌の「梶の音」とは櫂(かい)や櫓(ろ)などを使って船を漕ぐ時に生ずる音です。
手でこぐ小舟に乗った経験があまりないので、自信がないですが、擬音で言うと「ギーコ、ギーコ」という感じでしょうか。
平安時代、夫が妻のもとへ通うことが一般的だったので、彦星が船を漕いで織姫に会いに行っていると考えられるそうです。
この時代の生活ぶりも垣間見ることができる句ですね。
第2回目のご紹介は、有名歌人の歌でした。
夏休みを迎えて自由研究の一端として、交野市内の歌碑を少しずつご紹介していきますので、お楽しみに!
記事/撮影:ひろちゃん
取材場所:天の川河川敷
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