なぜなぜ選挙 ー9月6日に交野で行われるトリプル地方選挙の仕組みについて考える

各選挙のポスター掲示場が設置されている
今回は、3つの選挙の投開票が同じ日に行われるという、最近の交野市で行われた地方選挙では見られなかった形で執り行われます。
尚、公職選挙法第33条により、大阪府議会議員補欠選挙の告示日は、投票日の9日前となる8月28日(金)、交野市長選挙、交野市市議会議員補欠選挙は、投票日の7日前となる8月30日(日)告示となっております。
ところで、今回のトリプル選挙は、公職選挙法のいくつかのルールが重なって行われることになったことをご存じだったでしょうか。
簡単ではありますが、今回のトリプル選挙がなぜ行われることになったのかについて公職選挙法をもとにご紹介していきたいと思います。
疑問① どうして市議会議員の補欠選挙が行われるの?
まず、市議会議員の補欠選挙について、基本的には、公職選挙法第113条第1項6号にあるように、議員定数の6分1以上の欠員になった時に、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理員会(交野市の場合は、交野市選挙管理委員会)が、選挙の期日を告示し、市議会議員の補欠選挙が行われることとなっております。
(公職選挙法第113条第1項)
地方公共団体の議会の議員の欠員につき、第百十一条第一項第一号から第三号までの規定による通知を受けた場合において、前条第一項から第五項まで、第七項又は第八項の規定により、当選人を定めることができるときを除くほか、その議員の欠員の数が次の各号に該当するに至つたときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、選挙の期日を告示し、補欠選挙を行わせなければならない(一部抜粋)。
(公職選挙法第113条第1項6号)
市町村の議会の議員の場合には、第百十三条第一項にいうその議員の欠員の数と通じて当該選挙区における議員の定数(選挙区がないときは、議員の定数)の六分の一を超えるに至つたとき。
この規定に基づけば、2026年8月26日時点で交野市議会の定数は15なので、6分の1にあたる3名以上の議員の欠員が生じた場合、欠員を補うための補欠選挙が実施されることとなります。
2026年8月26日時点で、交野市議会の欠員は、今年の初めに行われた第51回 衆議院議員総選挙(2026年2月8日投開票)に当時の現職市議会議員が立候補して失職したことによって生じた1議席となっています。
尚、現職の議員が他の選挙に立候補を届け出ると、自動的に失職扱いとなるのは、公職選挙法第90条などによるものです。
(公職選挙法第90条)
公職の候補者となることができない公務員が、第八十六条第一項から第三項まで若しくは第八項、第八十六条の二第一項若しくは第九項、第八十六条の三第一項若しくは同条第二項において準用する第八十六条の二第九項又は第八十六条の四第一項、第二項、第五項、第六項若しくは第八項の規定による届出により公職の候補者となつたときは、当該公務員の退職に関する法令の規定にかかわらず、その届出の日に当該公務員たることを辞したものとみなす(一部抜粋)。

先の公職選挙法に照らせば交野市議会の欠員は1なので、市議会議員の補欠選挙を行うことはないことになります。
と・こ・ろ・が、公職選挙法第113条第3項3号に次のような規定があります。
(公職選挙法第113条第3項)
地方公共団体の議会の議員の欠員の数が第一項各号に該当しなくても、次の各号の区分による選挙が行われるときは、同項本文の規定にかかわらず、その選挙と同時に補欠選挙を行う(一部抜粋)。
としたうえで、同項3号に「地方公共団体の議会の議員の場合には、当該選挙区(選挙区がないときはその区域)において同一の地方公共団体の他の選挙が行われるとき」、欠員数に関係なく同一の地方公共団体の他の選挙と同時に議会の欠員を補うための補欠選挙が行われることとなっています。
今回、交野市の場合、任期満了に伴う市長選挙が9月8日に実施されることになっていたので、上記の規定基づき、欠員数に関係なく市議会の補欠選挙も同時に行われることとなります。
この規定による地方議会議員の補欠選挙は、いわゆる「便乗選挙」と呼ばれ、「親選挙」と呼ばれる同一の地方公共団体で行われる他の大型地方選挙に便乗する形で実施されます(尚、市町村議会議員の便乗選挙を実施するには、公職選挙法第113条第3項に基づき、「親選挙」の期日の告示の日前10日までに欠員が生じている必要があります)。
先述のように、2月の総選挙に当時現職だった交野市議会議員が立候補して失職したために市議会に欠員が生じました。任期満了に伴う交野市長選挙が今夏(正確には9月8日)に行われることは決まっていたので、2月に生じた市議会の欠員は、市長選の期日の告示の日前より10日以上ということとなり、いわゆる「便乗選挙」の要件が整い、今回、市長選挙と同時に市議会議員の補欠選挙が行われることとなりました。
疑問② もし、いわゆる「便乗選挙」の実施が決まっていて、市長選挙の期日の告示日前日までに現職の交野市議会議員が辞めたりして欠員が出たらその欠員はどうなるの?
先述のように、市町村議会のいわゆる「便乗選挙」を行うためには「当該市町村の他の選挙の期日の告示日の10日前まで」に欠員が生じている必要があります。
ちなみに、公職選挙法第111号第1項3号に基づいて、市町村議会に欠員が出た場合、当該議会の議長が選挙管理委員会に、欠員が生じた5日以内にその旨を通知をすることとされています。

では、いわゆる「便乗選挙」を行うことが決まってから、現職の市町村議会議員が辞めたりして欠員が生じた場合はどうなるのでしょうか。
市議会単独で補欠選挙を行うには、定数の6分の1が欠員にならないと実施されないことは先述の通りです。
しかし、いわゆる「便乗選挙」が実施されることが決まっている場合は、公職選挙法第113条第3項に基づき、いわゆる「親選挙」と呼ばれる他の大型地方選挙(今回のケースでは交野市長選挙のことを指す)が告示される日の前日までに欠員となった議席すべてが、選挙すべき議員の数ということになります。
例えば、今回の交野の選挙では、市長選挙、市議会議員補欠選挙、そして府議会議員補欠選挙の3つの選挙が9月8日に行われる予定です。
先述のように、府議会議員選挙は、投開票が行われる日より少なくとも9日前に告示されなければなりません。
一方、市長選挙、そして市議会議員補欠選挙は、投開票が行われる日より少なくとも7日前に告示されなければなりません。
すなわち、府議会議員補欠選挙の方が、他の2つの選挙よりも投開票日は一緒なので2日早く始まるということになります。
もし、府議会議員の補欠選挙に現職の交野市議会議員が立候補した場合、公職選挙法第90条に基づきその議員は失職となり、選挙管理委員会への議長の通知を経て欠員が生じることとなります。
その場合、府議会議員の補欠選挙は告示日が交野市長選挙よりも2日早い(8月28日)ことから、市長選挙が告示される日(8月30日)の前日(8月29日)までに市議会に欠員が生じたことの通知が議長によって為されれば、いわゆる「便乗選挙」で選挙すべき議員の数が増員されることとなります。
したがって、市長選挙の告示日前日にならないと市議会議員補欠選挙の定数がわからないというのが今回の選挙のひとつの特徴です。
少し法律論の説明が多くなってしまいましたが、今回の交野市にまつわる選挙は、制度的な意味でも大変興味深い選挙となっていることがお分かりいただけたかと思います。
選挙は民主主義を支える大きな柱のひとつです。
別言すると、それぞれの有権者が自律的して政策を判断し、その判断に基づき自らの1票を行使することが民主主義社会における選挙のあり方です。
近年の交野市での選挙では、おおよそ半数くらいの有権者が投票を棄権する傾向にありますが、先にも述べたように、選挙は民主主義を支える大きな柱の一つであるがゆえに、その柱をできるだけ多くの人々が支え、守っていってもらいたいと心底から願っております。
9月8日はぜひ投票に行きましょう。
(謝辞)今回の記事作成でご助言を賜った、交野市選挙管理委員会の方々に改めて感謝申し上げます。
記事:博士
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尚、公職選挙法第33条により、大阪府議会議員補欠選挙の告示日は、投票日の9日前となる8月28日(金)、交野市長選挙、交野市市議会議員補欠選挙は、投票日の7日前となる8月30日(日)告示となっております。
☆トリプル地方選挙の告示日
8月28日(金)大阪府議会議員補欠選挙
8月30日(日)交野市長選挙、交野市議会議員補欠選挙
※投票日はいずれも9月6日(日)
※投票日はいずれも9月6日(日)
ところで、今回のトリプル選挙は、公職選挙法のいくつかのルールが重なって行われることになったことをご存じだったでしょうか。
簡単ではありますが、今回のトリプル選挙がなぜ行われることになったのかについて公職選挙法をもとにご紹介していきたいと思います。
疑問① どうして市議会議員の補欠選挙が行われるの?
まず、市議会議員の補欠選挙について、基本的には、公職選挙法第113条第1項6号にあるように、議員定数の6分1以上の欠員になった時に、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理員会(交野市の場合は、交野市選挙管理委員会)が、選挙の期日を告示し、市議会議員の補欠選挙が行われることとなっております。
地方公共団体の議会の議員の欠員につき、第百十一条第一項第一号から第三号までの規定による通知を受けた場合において、前条第一項から第五項まで、第七項又は第八項の規定により、当選人を定めることができるときを除くほか、その議員の欠員の数が次の各号に該当するに至つたときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、選挙の期日を告示し、補欠選挙を行わせなければならない(一部抜粋)。
市町村の議会の議員の場合には、第百十三条第一項にいうその議員の欠員の数と通じて当該選挙区における議員の定数(選挙区がないときは、議員の定数)の六分の一を超えるに至つたとき。
この規定に基づけば、2026年8月26日時点で交野市議会の定数は15なので、6分の1にあたる3名以上の議員の欠員が生じた場合、欠員を補うための補欠選挙が実施されることとなります。
2026年8月26日時点で、交野市議会の欠員は、今年の初めに行われた第51回 衆議院議員総選挙(2026年2月8日投開票)に当時の現職市議会議員が立候補して失職したことによって生じた1議席となっています。
尚、現職の議員が他の選挙に立候補を届け出ると、自動的に失職扱いとなるのは、公職選挙法第90条などによるものです。
公職の候補者となることができない公務員が、第八十六条第一項から第三項まで若しくは第八項、第八十六条の二第一項若しくは第九項、第八十六条の三第一項若しくは同条第二項において準用する第八十六条の二第九項又は第八十六条の四第一項、第二項、第五項、第六項若しくは第八項の規定による届出により公職の候補者となつたときは、当該公務員の退職に関する法令の規定にかかわらず、その届出の日に当該公務員たることを辞したものとみなす(一部抜粋)。

Google Geminiにより作成(作成日 2026年8月26日)
先の公職選挙法に照らせば交野市議会の欠員は1なので、市議会議員の補欠選挙を行うことはないことになります。
と・こ・ろ・が、公職選挙法第113条第3項3号に次のような規定があります。
地方公共団体の議会の議員の欠員の数が第一項各号に該当しなくても、次の各号の区分による選挙が行われるときは、同項本文の規定にかかわらず、その選挙と同時に補欠選挙を行う(一部抜粋)。
としたうえで、同項3号に「地方公共団体の議会の議員の場合には、当該選挙区(選挙区がないときはその区域)において同一の地方公共団体の他の選挙が行われるとき」、欠員数に関係なく同一の地方公共団体の他の選挙と同時に議会の欠員を補うための補欠選挙が行われることとなっています。
今回、交野市の場合、任期満了に伴う市長選挙が9月8日に実施されることになっていたので、上記の規定基づき、欠員数に関係なく市議会の補欠選挙も同時に行われることとなります。
この規定による地方議会議員の補欠選挙は、いわゆる「便乗選挙」と呼ばれ、「親選挙」と呼ばれる同一の地方公共団体で行われる他の大型地方選挙に便乗する形で実施されます(尚、市町村議会議員の便乗選挙を実施するには、公職選挙法第113条第3項に基づき、「親選挙」の期日の告示の日前10日までに欠員が生じている必要があります)。
先述のように、2月の総選挙に当時現職だった交野市議会議員が立候補して失職したために市議会に欠員が生じました。任期満了に伴う交野市長選挙が今夏(正確には9月8日)に行われることは決まっていたので、2月に生じた市議会の欠員は、市長選の期日の告示の日前より10日以上ということとなり、いわゆる「便乗選挙」の要件が整い、今回、市長選挙と同時に市議会議員の補欠選挙が行われることとなりました。
疑問② もし、いわゆる「便乗選挙」の実施が決まっていて、市長選挙の期日の告示日前日までに現職の交野市議会議員が辞めたりして欠員が出たらその欠員はどうなるの?
先述のように、市町村議会のいわゆる「便乗選挙」を行うためには「当該市町村の他の選挙の期日の告示日の10日前まで」に欠員が生じている必要があります。
ちなみに、公職選挙法第111号第1項3号に基づいて、市町村議会に欠員が出た場合、当該議会の議長が選挙管理委員会に、欠員が生じた5日以内にその旨を通知をすることとされています。

Google Geminiにより作成(作成日2026年8月26日)
では、いわゆる「便乗選挙」を行うことが決まってから、現職の市町村議会議員が辞めたりして欠員が生じた場合はどうなるのでしょうか。
市議会単独で補欠選挙を行うには、定数の6分の1が欠員にならないと実施されないことは先述の通りです。
しかし、いわゆる「便乗選挙」が実施されることが決まっている場合は、公職選挙法第113条第3項に基づき、いわゆる「親選挙」と呼ばれる他の大型地方選挙(今回のケースでは交野市長選挙のことを指す)が告示される日の前日までに欠員となった議席すべてが、選挙すべき議員の数ということになります。
例えば、今回の交野の選挙では、市長選挙、市議会議員補欠選挙、そして府議会議員補欠選挙の3つの選挙が9月8日に行われる予定です。
先述のように、府議会議員選挙は、投開票が行われる日より少なくとも9日前に告示されなければなりません。
一方、市長選挙、そして市議会議員補欠選挙は、投開票が行われる日より少なくとも7日前に告示されなければなりません。
すなわち、府議会議員補欠選挙の方が、他の2つの選挙よりも投開票日は一緒なので2日早く始まるということになります。
もし、府議会議員の補欠選挙に現職の交野市議会議員が立候補した場合、公職選挙法第90条に基づきその議員は失職となり、選挙管理委員会への議長の通知を経て欠員が生じることとなります。
その場合、府議会議員の補欠選挙は告示日が交野市長選挙よりも2日早い(8月28日)ことから、市長選挙が告示される日(8月30日)の前日(8月29日)までに市議会に欠員が生じたことの通知が議長によって為されれば、いわゆる「便乗選挙」で選挙すべき議員の数が増員されることとなります。
したがって、市長選挙の告示日前日にならないと市議会議員補欠選挙の定数がわからないというのが今回の選挙のひとつの特徴です。
少し法律論の説明が多くなってしまいましたが、今回の交野市にまつわる選挙は、制度的な意味でも大変興味深い選挙となっていることがお分かりいただけたかと思います。
選挙は民主主義を支える大きな柱のひとつです。
別言すると、それぞれの有権者が自律的して政策を判断し、その判断に基づき自らの1票を行使することが民主主義社会における選挙のあり方です。
近年の交野市での選挙では、おおよそ半数くらいの有権者が投票を棄権する傾向にありますが、先にも述べたように、選挙は民主主義を支える大きな柱の一つであるがゆえに、その柱をできるだけ多くの人々が支え、守っていってもらいたいと心底から願っております。
9月8日はぜひ投票に行きましょう。
(謝辞)今回の記事作成でご助言を賜った、交野市選挙管理委員会の方々に改めて感謝申し上げます。
記事:博士
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