交野で剣道半世紀!剣士森本泰光さんが講演会で想いを語る。暮らしの中にある剣道理念

講演会のポスター
去る2月9日(日)天野が原町にあるゆうゆうセンターにおいて同後援会が開催されました。
今回はその様子をご紹介したいと思います。
博士@交野タイムズが会場に到着したときはすでにほぼ満席状態でした。

会場はほぼ満席状態

交野市剣道連盟の石倉会長

島野さんによる来賓ご挨拶
今回はその様子をご紹介したいと思います。
博士@交野タイムズが会場に到着したときはすでにほぼ満席状態でした。

会場はほぼ満席状態
交野市剣道連盟の石倉会長のあいさつの後、森本さんの剣友であり、現在は大阪市修道館館長の島野さんによる来賓ご挨拶が行われました。

交野市剣道連盟の石倉会長

島野さんによる来賓ご挨拶
島野さんは、今回の講演者である森本さんと2歳違いだそうで、「私はどちらかといえば激しい剣道をするが、森本先生は実に剣風が柔らかく、面を得意としていらっしゃる」と森本さんの剣道の特徴をご紹介され、「剣道に関する講演はめったに聞くことができない」と今回の講演の意義についてお話されました。
島野さんによる来賓ご挨拶の後、いよいよ今回の講演者である森本さんによる講演が始まりました。
講演の内容は多岐にわたり、すべてご紹介することはできませんので、ここではかいつまんでご紹介したいと思います。

講演者の森本さん
島野さんによる来賓ご挨拶の後、いよいよ今回の講演者である森本さんによる講演が始まりました。
講演の内容は多岐にわたり、すべてご紹介することはできませんので、ここではかいつまんでご紹介したいと思います。

講演者の森本さん
森本さんが少年期だったときに日本の敗戦をもって第2次世界大戦が終わり、敗戦後に日本に進駐したGHQ(連合国最高司令官総司令部)が戦前から続く伝統文化の多くを禁止にし、剣道もその一つとして禁止されました。
▼敗戦後、剣道が学校で再開されたことを紹介するNHKのサイト
その禁止令が解かれた後、森本さんは剣道を始められたそうです。
その後、御入社された会社で剣道部を創設し、実業団において剣道を続けられたそうです。
また、交野の保護者の方々からも剣道の指導を請われたことから、郡津小学校において剣道の指導を始められたそうです。
交野タイムズの原田編集長をはじめ、森本さんのご指導を受けたという人たちが博士@交野タイムズの周りにも多くいます。

身振りを交えながら講演する森本さん
▼敗戦後、剣道が学校で再開されたことを紹介するNHKのサイト
その禁止令が解かれた後、森本さんは剣道を始められたそうです。
その後、御入社された会社で剣道部を創設し、実業団において剣道を続けられたそうです。
また、交野の保護者の方々からも剣道の指導を請われたことから、郡津小学校において剣道の指導を始められたそうです。
交野タイムズの原田編集長をはじめ、森本さんのご指導を受けたという人たちが博士@交野タイムズの周りにも多くいます。

身振りを交えながら講演する森本さん
「剣道とは棒で互いを叩き合う競技」と言う森本さんですが、「しかし、「礼に始まり、礼に終わる」という儒教の言説にある通り、剣道も礼節をもって行われるが故に成立する競技なのです」と、礼の大切さが剣道を支える要素の一つであり、それが人々の暮らしの中にも浸透している、とお話されていました。

木刀をもって剣の使い方について熱弁する
身体の使い方を司会者を使って実演

木刀をもって剣の使い方について熱弁する

森本さんによる講演の中心の一つであったのが「剣道理念」という考え方でした。
「剣道理念」とは、「刀の使い方」、「身体の使い方」、そして「心の使い方」の3つからなる理念であり、「早く打ちたいと思うと剣が横を向いてしまう…心穏やかでなければ剣はまっすぐに打てない」と、心穏やかに保つことが剣道をする上で何よりも大事であることを言われていました。
先述のように、来賓の島野さんが「森本先生の剣風は実に柔らかい」と仰られていましたが、これはまさに心の平静を保たなければできないものであると、小さく膝を叩きました。
こうした「剣道理念」について、歴代の交野市長の中で最も熱心に聞いてくれたのが、交野市初代市長の原田誠一さんだったそうです。
原田市長は、「交野の少年剣道の強力な協力者」であったとし、秘書が市長を呼びに来ても、「ちょっと待って」と秘書を制止してまで森本さんの剣道理念についての話に熱心に耳を傾けたそうです。
あるときには、朝に原田市長に会いに行って、剣道理念について互いに語り合っているうちにお昼になって弁当をもらって帰った、というエピソードも披露されていました。
青年の家内にある武道館を作る際も、原田市長は森本さんらに寄り添い、できるだけの要望を聞いてくれたそうです。
とても多岐にわたるトピックについて語られる講演ではありましたが、その一つ一つが森本さんがこれまでの人生で得てきたいわば人生訓である一方、森本さんの師匠にあたる方から「本を読みなさい」と言われたことを実践し、これまで数多くの本を読まれてきたことは講演の端々から伝わってきました。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉がありますが、人が経験できることは非常に限られたものであり、それのみに依拠して思料する場合と、自らの経験に加え読書などを通じて知識を広めて思料する場合とでは、トマス・ホッブズの言う「計算可能性」に大きな違いが生じるでしょう。
こうした点からも、森本さんが言うように、本を読むということは大変意義のあることだと言えます。
講演は盛況のうちに終わりましたが、帰る人たちに1枚の紙が手渡されました。

参加者全員に手渡された森本さんのメッセージ
「剣道理念」とは、「刀の使い方」、「身体の使い方」、そして「心の使い方」の3つからなる理念であり、「早く打ちたいと思うと剣が横を向いてしまう…心穏やかでなければ剣はまっすぐに打てない」と、心穏やかに保つことが剣道をする上で何よりも大事であることを言われていました。
先述のように、来賓の島野さんが「森本先生の剣風は実に柔らかい」と仰られていましたが、これはまさに心の平静を保たなければできないものであると、小さく膝を叩きました。
こうした「剣道理念」について、歴代の交野市長の中で最も熱心に聞いてくれたのが、交野市初代市長の原田誠一さんだったそうです。
(原田誠一 元交野市長 昭和57年4月の広報かたの「https://www.city.katano.osaka.jp/docs/2021070900043/file_contents/1982-04-10.pdf」より)
原田市長は、「交野の少年剣道の強力な協力者」であったとし、秘書が市長を呼びに来ても、「ちょっと待って」と秘書を制止してまで森本さんの剣道理念についての話に熱心に耳を傾けたそうです。
あるときには、朝に原田市長に会いに行って、剣道理念について互いに語り合っているうちにお昼になって弁当をもらって帰った、というエピソードも披露されていました。
青年の家内にある武道館を作る際も、原田市長は森本さんらに寄り添い、できるだけの要望を聞いてくれたそうです。
とても多岐にわたるトピックについて語られる講演ではありましたが、その一つ一つが森本さんがこれまでの人生で得てきたいわば人生訓である一方、森本さんの師匠にあたる方から「本を読みなさい」と言われたことを実践し、これまで数多くの本を読まれてきたことは講演の端々から伝わってきました。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉がありますが、人が経験できることは非常に限られたものであり、それのみに依拠して思料する場合と、自らの経験に加え読書などを通じて知識を広めて思料する場合とでは、トマス・ホッブズの言う「計算可能性」に大きな違いが生じるでしょう。
こうした点からも、森本さんが言うように、本を読むということは大変意義のあることだと言えます。
講演は盛況のうちに終わりましたが、帰る人たちに1枚の紙が手渡されました。

参加者全員に手渡された森本さんのメッセージ
頂いた紙には「父母に呼ばれ この世に旅に来て 帰り土産は剣道ばなし」と森本さんのメッセージが書かれていました。
剣道がただのスポーツではなく、その教えが人々の暮らしの中に自然と溶け込んでいることを様々な著作や自らの経験からお話された森本さんですが、講演中の森本さんのまっすぐとした立ち姿は、いくつになっても謙虚に、そして礼節を尽くして事に当たろうとする姿を見事に表しているのではないかと感じました。
森本さんの非常に深いメッセージに感銘をしつつ、今回のリポートを終えたいと思います。
剣道がただのスポーツではなく、その教えが人々の暮らしの中に自然と溶け込んでいることを様々な著作や自らの経験からお話された森本さんですが、講演中の森本さんのまっすぐとした立ち姿は、いくつになっても謙虚に、そして礼節を尽くして事に当たろうとする姿を見事に表しているのではないかと感じました。
森本さんの非常に深いメッセージに感銘をしつつ、今回のリポートを終えたいと思います。