「スーパーマリオRPG」、「ファイナルファンタジーXV」など。交野市にゆかりのあるゲーム音楽の第一人者下村陽子さんが英国アカデミーで「フェローシップ賞」を受賞される
格言う博士@交野タイムズも、任天堂のファミリーコンピューターやディスクシステム、スーパーファミコン、プレイステーション、Nintendo DSなど、いわば「家庭用ゲーム草創期」からゲームに親しんでいた世代です。
現在は、「eスポーツ」のようにプロのゲーマーが賞金を懸けて競い合うなど、ゲーム機はこの数十年間で大きく進化を遂げてきました。
▼今やeスポーツは世界に広がっている(以下は、ワールドeスポーツカップのサイト)
ところで、ゲーム機が進化してきてもゲームには昔から欠かせないものがあります。
ゲーム機やコントローラーなどのハードなものはもとより、キャラクターやグラフィックなどのソフト面もゲームを構成する要素と言えるでしょう。
そして、キャラクターやグラフィックなどゲームの世界観を引き立てるものがゲーム音楽です。
ゲームをする方なら、「ドラゴンクエストの音楽」や「スーパーマリオの音楽」、「燃えろプロ野球の音楽」などと言われれば、すぐに頭に思い浮かぶのではないでしょうか。
ゲーム音楽というと、あまり馴染みのない方でもドラゴンクエストのすぎやまこういちさん(1931~2021)を思い浮かべる方もいらっしゃるかと思います。
そうしたゲーム音楽の世界で、実は、交野市とゆかりのあるゲーム音楽の第一人者の方がいらっしゃいます。
その方は、下村陽子さんという方で、今年の4月に、英国映画テレビ芸術アカデミー(British Academy of Film and Television Arts, 以下「英国アカデミー」と略す)ゲーム部門において、業界における長年の貢献が称えられる「フェローシップ賞」を受賞されました。
▼「フェローシップ賞」を受賞したことを伝えるニュース記事(retrieved on July 11th 2025)
▼読売新聞オンライン(2025年7月19日配信)でもフォローシップ賞受賞が紹介される
(retrieved on July 20th 2025)
下村さんは、幼少期から大学までを交野で過ごされ、現在も東京と交野を往復する生活をされています。
今回、英国アカデミーフェローシップ賞を受賞されたということで、下村さんにお話を伺うことができました。
ちなみに、この英国アカデミーフェローシップ賞は、1971年にアルフレッド・ヒッチコックが受賞して以来、1976年にはチャーリー・チャップリン、1983年のリチャード・アッテンボロー、1999年のエリザベス・テイラーなど、映画やテレビ業界の錚々たる人物が受賞しています。
日本人では、ゲームクリエーターの宮本茂さん2010年に受賞し、2020年にはゲームデザイナーの小島秀夫さんが、そして2023年には吉田修平さんが受賞しています。
ということで、下村さんは、4人目の英国アカデミーフェローシップ賞受賞者ということとなります。
下村さんは、「キングダムハーツ」や「スーパーマリオRPG」、「ファイナルファンタジーXV」などのゲーム音楽を手掛けてこられ、ゲームをする人なら、もしかすると下村さんの音楽を聴きながらゲームを楽しんでいるかもしれません。
▼英国映画テレビ芸術アカデミーの公式サイト
(博士@交野タイムズ)
「よろしくお願いいたします」
(下村さん)
「よろしくお願いいたします」
(博士@交野タイムズ)
「まずは、英国映画テレビ芸術アカデミーフェローシップ賞受賞おめでとうございます」
(下村さん)
「ありがとうございます」

インタビューにお答えいただいた下村さん
(博士@交野タイムズ)
「今回受賞された賞とはどういったものなのでしょうか」
(下村さん)
「今回頂いたフェローシップ賞とは、映画やテレビなどの映像分野で貢献のあった方に送られる賞で、私の場合長年ゲーム業界に貢献してきたということが評価され、フェローシップ賞を頂戴することとなりました」
(博士@交野タイムズ)
「同賞の初代受賞者はヒッチコックで、他にもチャップリンやアッテンボロー、エリザベス・テイラーなどが受賞されていますね」
(下村さん)
「そうなんです」
「そんな方々と同じ賞をもらっていいのかしら、と正直思いました(笑)」
(博士@交野タイムズ)
「いえいえ、下村さんも他の受賞者と匹敵するだけの貢献をゲーム業界でされていることが評価されたんだと思いますよ」
(下村さん)
「フェローシップ賞は、もともと映画やテレビの業界の方に送られる賞でしたが、映像分野ということでゲーム業界も受賞の対象となって、今回受賞させていただくこととなりました」
▼下村さんが英国アカデミーフェローシップ賞を受賞したことを伝える英国アカデミーのサイト
(博士@交野タイムズ)
「下村さんが音楽をお始めになられたきっかけは何だったのでしょうか」
(下村さん)
「私たちの世代の習い事というとピアノが圧倒的でした」
「私のいとこもピアノを習っていて、とても上手にピアノを弾いている姿を見てピアノを習いたいと思うようになりました」
「父も音楽が好きだったこともあって、「ピアノを習いたい」とお願いしてピアノを習い始めたのがきっかけです」
(博士@交野タイムズ)
「大学をご卒業後、ゲームメーカーのカプコンの方に就職されたのですか」
(下村さん)
「そうです。大阪音楽大学短期大学部を卒業後カプコンの方に就職いたしました」
(博士@交野タイムズ)
「どのような形で就職選考が行われたのでしょうか」
(下村さん)
「まずは、私が演奏したデモテープを送ってそれを聞いてもらう形で選考が行われました」
(博士@交野タイムズ)
「カプコンからスクウェア(現在のスクウェアエニックス)を経て、現在はフリーの作曲家としてご活躍されている」
(下村さん)
「そうですね。カプコン時代には「ストリートファイターⅡ」など、そしてスクウェアでは「ファイナルファンタジーXV」などのゲーム音楽を担当しました」
(博士@交野タイムズ)
「博士@交野タイムズの世代ならほとんどの人が知っているゲームの音楽をご担当されてたということですが、博士@交野タイムズもファイナルファンタジーやストリートファイターなどをプレイしました」
「でも、ほんとはドラクエ派なんですけど(笑)」
(下村さん)
「私もドラクエ派でした(笑)」
(博士@交野タイムズ)
「幼少のころから音楽をお始めになられたということですが、下村さんの音楽人生に大きな影響を与えた音楽家はいらっしゃるでしょうか」
(下村さん)
「私は、もともとクラッシック育ちなので、音楽づくりにクラッシックの影響はとても強いと思います」
「特にショパンやラフマニノフが好きなので、その影響が大きいと思います」
(博士@交野タイムズ)
「ゲーム音楽を作るうえでのご苦労とかはありますでしょうか」
(下村さん)
「昔のファミコン(任天堂のファミリーコンピューター)だと、音源やトラックが限られていて、非常に工夫が必要でした」
「今のゲームは容量も大きくなったので、作った曲をそのまま入れることができるようになりました」
(博士@交野タイムズ)
「ゲームへの音楽の入力はパソコンを使ってされているのですか」
(下村さん)
「そうです。以前からパソコンを使って音楽を入力していました」
(博士@交野タイムズ)
「ゲームはこだわりのある人たちが集まって作るので、曲づくりも結構大変じゃないのですか」
(下村さん)
「はい。こだわりのある人たちがいろいろ言って衝突することもあるので、私の場合、「曲の最終決定をする人はひとりにしてほしい」とお願いしています」
(博士@交野タイムズ)
「イギリスでのフェローシップ授賞式の様子を写した動画を拝見したのですが、その中では、これまで下村さんに関わってこられた方々への感謝の念が何度か繰り返されていたかと思います」
(下村さん)
「これまで曲が作れなかったり、曲が採用されなかったりということを何度も経験し、そのたびに「私には才能がないんだ」と挫折しそうになりました」
「でも、その都度周りの人たちに支えてもらったり、助けてもらったりして曲作りを続けることができ、その結果今回のフェローシップ賞につながったと思っています」
(出典:YouTube)
(博士@交野タイムズ)
「今後はどういった活動をなされていこうとされていますか」
(下村さん)
「現在(インタビュー時点)、いくつかのゲーム音楽の作成に携わっております」
「一方で、海外のイベントからの出演依頼もあるのですが、今は忙しいのでなかなか行ける状況ではありません」
「アニメなどの音楽もやっているので、ゲームだけではなく色々な音楽もやっていけたらと思っています」
「私は、小学校6年から就職するまで交野で暮らしていました」
「ですので、育った街に恩返しの意味も込めてコンサートが開けたらと思い企画したのですが、諸般の事情でそれが叶いませんでした」
(博士@交野タイムズ)
「それは残念ですね」
「今回、英国アカデミーのフェローシップ賞を受賞されたということから、ゆかりのある交野で凱旋コンサートを開催していただけたら多くの交野の人たちが喜ぶのは間違いないでしょう」
「是非凱旋コンサートが開催されることを願っております」
「本日はありがとうございました」
(下村さん)
「ありがとうございました」
今回のインタビューには、交野新聞の小川さんらが同席していたこともあり、様々な話題で話が盛り上がりました。
下村さんもとても気さくにお答えいただき、ゲーム好きという共通点もあったことから、ゲーム音楽づくりのご苦労を聞いた際は、ゲームをやる側として今まで何気なく聞いていたゲーム音楽にも様々なストーリーがあるんだということを認識しました。
「ゆかりのある交野で是非コンサートができれば」と仰っておられたので、ぜひそれが実現されれば、と強く願います。
(謝辞)今回インタビューにお答えいただいた下村さんに改めて御礼申し上げます。
記事:博士
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受賞おめでとうございます。