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使用済みアルミチューブを資源に変え収益を社会に還元するーヘアサロンボレロのリサイクルプロジェクト

私部にあるVORELO Smart Salon(ボレロスマートサロン、以下「ボレロ」と略す)。

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ボレロ(私部西1-33-10)

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京阪交野市駅前ロータリー側

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ホシノ眼科や4月にオープン予定のドン・キホーテのある側

ヘアサロンであるボレロさんでは、ヘアカラーのために使用したアルミチューブを再利用し、それで得られた収益を社会活動などに寄付する活動をされています。

今回は、ボレロの取締役副社長である園田安奈さんにその活動についてのお話を伺いました。

インタビュー

(博士@交野タイムズ)
「よろしくお願いします」

(園田さん)
「よろしくお願いします」

(博士@交野タイムズ)
「まず、活動を始められた理由をお聞かせください」

(園田さん)
「私共のお店は美容室という特性から、毎日のようにお客様の髪を染めることを行っております」

「その際染料を使うのですが、酸化を防止するためにアルミ製のチューブに染料が入っております」


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ボレロさんで使われているアルミのチューブに入った染料

「毎日のようにアルミチューブを使うので、以前は大量の使用済みアルミチューブを破棄していました」

「私共の会社は決して大きな会社ではございませんが、「感謝を行動に」という理念の下、社会貢献を大事にしていきたいと考えております」

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園田さん

「こうした企業理念の観点から、使用済みアルミチューブを何とかリサイクルできないかと考え、枚方市中宮大池にある共英製鋼株式会社様や北大阪商工会議所様、交野市役所様、枚方信用金庫様、交野市内のヘアサロンの方々などのご協力を得て使用済みアルミチューブのリサイクルプロジェクトを行っております」

「使用済みアルミチューブをリサイクルしようと考えた当初は、リサイクル業者などにあたってみたのですが、染料が付着しているということでできないと断られました」

「製造元にも確認したのですが、「リサイクルはやっておらず、今後もそれは考えておりません」という回答でした」

「そうした回答を聞いた時、ヘアサロン業界として由々しきことではないかと感じ、北大阪商工会議所にご相談させていただきました」

「その結果、企業マッチングを実施していただき、枚方の中宮大池にある共英製鋼株式会社様をご紹介頂きました」

(博士@交野タイムズ)
「共英製鋼株式会社というと、鋳造などをしている会社ですよね」

(園田さん)
「そうです」

▼共英製鋼株式会社のホームページ


「鋳造を行う際、溶湯内に酸素やガスが発生し、ピンホールなどの製品品質の低下を招いてしまいます」

▼(参考)鋳造とは何か


「そうした酸素やガスを取り除くために、溶湯の中に脱酸剤を投入します」

「脱酸剤として広く使われているのがアルミニウムだそうです」

「アルミは鉄よりも早く酸素に結合し、また鉄よりも軽いので酸化鉄となった溶湯内の滓(カス)を取り除くのを容易にしてくれます」

「また、アルミは燃焼性が高いので溶解炉の温度が早く上がり、鉄の溶解が早く進むおかげで消費電力を抑制することができるそうです」

「こうしたことから共英製鋼様が使用済みアルミチューブを購入していただくこととなり、脱酸剤として使われることとなりました」

「共英製鋼様におかれましても、アルミの購入コストを抑制でき、また炉の温度を早く上げることもできることから消費電力を抑えることができ、CO2の排出削減にもつながります」

(博士@交野タイムズ)
「ボレロさんはごみの量を減らすことができ、共英製鋼さんは消費電力の削減によるCO2排出の削減にもつながる。まさにWin-Winの関係ということですね」

「使用済みアルミチューブを共英製鋼に供出しているのはボレロさんだけですか」

(園田さん)
「いいえ。私共だけではなく、交野市内のいくつかのヘアサロンにお声がけしてご協力を願っております」

「例えば、ビューティーサロンモリワキ様など、合計で8社14店舗(2025年10月18日現在)の交野市内のヘアサロンにご協力いただいております」

「ヘアサロンは交野市外にもたくさんございますが、そこへお声がけした場合送料などの輸送コストがかかってしまいます」

「それでは環境のことを考えた活動として本末転倒という思いがあり、まずはこの仕組みを交野市内でしっかり固めることから始めております」

(博士@交野タイムズ)
「14店舗から排出される使用済みアルミチューブの量は1か月どのくらいですか」

(園田さん)
「繁忙期などの時期にもよりますが、おおよそ50~60キロ集まります」

「集めた使用済みアルミチューブを共英製鋼様に買い取っていただいて、それで得られた収益を社会に還元しております」

(博士@交野タイムズ)
「具体的にはどのような還元活動をされているのでしょうか」

(園田さん)
「例えば、子ども食堂に寄付におもちゃを寄付したり、交野市に寄付をしたりしております」

「2025年10月6日に枚方の総合芸術文化センターにおいて、交野市への収益金贈呈式を行いました」

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使用済みアルミチューブのリサイクル活動について報告する園田さん
(写真提供 北大阪商工会議所)

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収益金の交野市への贈呈式
(写真提供 北大阪商工会議所)

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山本交野市長らと記念撮影
(写真提供 北大阪商工会議所)

(博士@交野タイムズ)
「使用済みアルミチューブの再利用プロジェクトを始めるうえで、いろいろな困難があったのではないでしょうか」

(園田さん)
「はい。本当にいろいろと大変でした」

「特に大変だったのは、使用済みアルミチューブが有価物なのか、それとも廃棄物なのかということが明確でなかったことです」

「有価物の場合、有償で売却することができるのですが、廃棄物だと、そもそも不用品として廃却するものなので売却して収益を得るということができません」

「プロジェクトを始めようとしていた時、使用済みアルミチューブを有価物として扱ってもいいのかについて、国や府に問い合わせても「前例がない」ということで明確な回答を得ることができず困っていました」

「しかしながら、交野市様が「これは有価物である」と認めてくださり、大阪府様も「(交野市が認めるなら)いいよ」ということでプロジェクトを始動することができました」

▼使用済みアルミチューブのリサイクル活動について紹介している交野市のページ

(博士@交野タイムズ)
「まあ、「前例踏襲主義」というのは日本の行政あるあるとも言えますからね」

(園田さん)
「使用済みアルミチューブが有価物として認めてもらうのに約1年かかりました」

「その間、北大阪商工会議所の方に何度も大阪府庁まで足を運んでもらったり、行政書士さんなどに相談したり本当に大変でした」

▼北大阪商工会議所によるボレロの活動紹介


「なので、「使用済みアルミチューブは有価物」と認めてもらったときは、「ああこれでやっと形になる」と素直に喜びました」

(博士@交野タイムズ)
「最後に、今後の目標についてお聞かせください」

(園田さん)
「まずは、使用済みアルミチューブのリサイクル活動を続けていくことが、これからの目標というか課題だと考えております」

「地道にこの活動を続けていくことで、その先にしか見えない景色があるかと思っております」

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店前の看板で1枚撮らせていただきました
(左はボレロ代表取締役兼オーナーの園田健太郎さん)

「また、この活動を続けていけば新しい仲間との出会いもあるかと思うので、その方たちとの新たなケミストリーが起こる中で新たな活動の方向性というのが生まれてくるのではないかと思っております」

「そのためにも、今は地道に活動を続けていきたいと思っております」

「将来的な目標としては、私たちの活動がモデルとなって、他の街でも同じような取り組みを広げていきたいとも考えております」

(博士@交野タイムズ)
「人間が使える資源は有限なものです」

「それを少しでも有効に使うことが、今を生きる人々が果たすべき次世代への使命の一つであると言えます」

「今は小さな取り組みかもしれませんが、果実が花をつけ実となるように、いつの日か園田さんたちの活動が大きな実となりますことを願っております」

「本日はありがとうございました」

(園田さん)
「ありがとうございました」

今回のインタビューの中で、「ハンディキャップなどを持った人たち(いわゆる社会的弱者)を行政や個人だけではなく、社会全体として支援していく仕組みが大事」ということもお話されていました。

使用済みアルミチューブリサイクルプロジェクトは、収益金を社会的弱者支援に使うことはもとより、金属の溶解時に使用済みアルミチューブを使用し、電気炉の燃焼速度を上げることで消費電力の削減に貢献したり、民間・行政・商工会議所など多様な人がかかわり、地域の問題解決に取り組んだりと様々な要素を含んだ活動だと言えます。

そうした意味でも、今後他の地域において類似の活動をしていく際、園田さんたちの活動は非常に有用なモデルケースとなるものだと言えるのではないでしょうか。

使用済みアルミチューブリサイクル活動のフロントランナーとして、この活動を長く続けていかれることを願っております。

(謝辞)今回のインタビューにお答えいただいた園田さんに改めて御礼申し上げます。また、授与式の写真を提供していただいた北大阪商工会議所の堀家さんにも御礼申し上げます。


記事/撮影:博士
博士のこれまでの記事はこちら 



ライター:katano_times katano_times


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