交野の給食のうまさはだしが決め手【交野市学校給食開始55年記念インタビュー】
格言う博士@交野タイムズも、小学校、中学校の計9年間、交野の学校給食を頂戴しました。
「学校給食法」(1954年公布)の第一章第一条では、「学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものであり、かつ、児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすもの」として学校給食が位置付けられています。
交野市でも同法の趣旨に基づき、1968年から学校給食の提供を開始しました。
学校給食開始が1968年からということで、今年度(2023年度)で交野市での学校給食提供が開始されてから55年の節目を迎えました。
これを記念し、去る1月25日(木)に「学校給食スペシャルデー」として、給食開始当時のレシピを再現した給食と、交野市商業連合会が販売する「交野ジェラート(神宮寺星野さんちのみかん味)」が、同連合会の関係者の協力を得て提供されました。
今回は、その時の様子を含んだ、学校給食開始55年についての学校給食関係者へのインタビューをご紹介したいと思います。
インタビューは、倉治にある交野市立おりひめ給食センターで行いました。
インタビューにお答えいただいたのは、おりひめ給食センター所長の出村さん、そして同所長代理の原園さんです。
尚、途中学校での給食の様子の写真がありますが、それらは交野市情報マーケティング課から提供された写真を使わせていただいております。
(博士@交野タイムズ)
今回、交野で学校給食が始まって55周年を記念した事業を行った経緯をお聞かせください。
(出村所長)
交野では、昭和43(1968年)年1月25日に学校給食が始まりました。
学校給食が始まって今年度で55年となることから、今年(2024年)1月25日を給食スペシャルデーとして、給食開始当時提供されたメニューを提供しようということになりました。
幸いにも給食のメニューは、昭和43年から現在までずっと残されていましたので、その献立表を基に当時の給食を栄養士さんに再現してもらいました。
ちなみに、給食開始時のメニューはカレーでした。
(博士@交野タイムズ)
自分も小学校、中学校の計9年間、交野の学校給食をいただいておりました。
自分のころもそうでしたが、カレーの日はクラス中が大盛り上がりでした。
55周年記念の学校給食スペシャルデーということで、今回、交野ジェラートをお選びになった経緯はどういったものだったのでしょうか。
(出村所長)
学校給食スペシャルデーに交野ジェラートを提供した経緯は、市の給食関係者から「交野の食材を使ったジェラートがある」というのを聞いたのがきっかけでした。
アレルギーなどの観点から、乳製品を使っていないみかん味のシャーベットなら多くの子どもたちが食することができるのではないか、ということで今回、交野市商業連合会の協力を得てみかん味の交野ジェラートを提供することといたしました。
(原園所長代理)
これまで、ゼリーを給食に提供したことはございましたが、ジェラートは初めての試みでした。
原園所長代理
(博士@交野タイムズ)
今回、交野市商業連合会の協力でみかん味の交野ジェラートを初めて給食で提供なさったということですが、子どもたちの反応はどういったものだったんでしょうか。
(原園所長代理)
私が見学に行かせてもらった学校では、子どもたちがジェラートをもってニコッと笑ってくれました。
本当に楽しそうに食べていて、「なめらか」だとか「舌の上でとろける」とまるで食レポのように食べていました。
初めての試みということもあり、色々と課題も見えましたが、やってよかったと思っております。
児童たちとジェラートを食べる山本市長
(交野市情報マーケティング課提供写真)
(博士@交野タイムズ)
交野ジェラートを学校給食で提供されるのは初めてということで、色々なことがあったかと思いますが、子どもたちに最高のものを提供するために、給食センターはもとより、商業連合会や今回のみかんを提供した神宮寺の星野ぶどう園さんなど色々な方が関わって記念事業を行ったことは、大変有意義なことだったのではないかと思います。
ちなみに、自分もみかんの皮むきを少しだけ手伝いました(笑)
(所長&所長代理)
えーーーーっ!!
色々な方のご協力頂いたと聞いていましたが、まさかここにもそんな方がいらしたなんて!!
ありがとうございます。
(博士@交野タイムズ)
さて、1月25日に特別メニューを提供されたということですが、55周年事業として他になされていることはございますか。
(出村所長)
学校給食提供開始55周年記念事業といたしましては、昨年の夏ごろから、センター内の残されていた過去の職員やメニューの写真を掲示いたしております。
ぜひ多くの方にセンターにお越しいただいて、給食の歴史を知ってもらえたらと思っております。
(博士@交野タイムズ)
ありがとうございます。
次に、給食センターについてお伺いしたいと存じます。
交野市立おりひめ給食センターはいつ設立されたのでしょうか。
(出村所長)
平成28年(2016年)に稼働を始めました。
それ以前は、市内3カ所に給食センターがございましたが、それらを統合して現在の給食センターとなっております。
(博士@交野タイムズ)
調理をなさっている職員さんの数は?
(出村所長)
現在、調理員は35名おります。
過去、現在使われている給食器具
(博士@交野タイムズ)
毎朝給食センターの前を通って出勤しているのですが、その時間にはすでにセンターの門が開いていて、「いつも早くから開いているなー」と思って通っております。
(出村所長)
食材を搬入する業者さんが来るのが早いので、それにあわせて開門しております。
また、調理員さんたちが来る前に開けておくようにしております。
メニューによっては、ジャガイモを200㎏、300㎏と剥かないといけないときがあります。
(原園所長代理)
皮はピーラーで剥けますが、芽はひとつずつ手作業で取らないといけません。
なので、どうしても手間がかかるときがあります。
(博士@交野タイムズ)
そういう理由から朝早くから門が開いているんですね。
「地産地消」という言葉がありますが、現在、地元の食材はどのくらい使われているのでしょうか。
(出村所長)
令和4年の実績で、購入ベースでは9.94%地場産の野菜を購入しております。
お米は36.6%となっております。
毎年12月からは、交野の新米を提供するようにしております。
「交野ルビー」や「酒粕」など、交野には様々な特産物がございます。
こうした地元特産の食材を提供し、交野のよさを子どもたちに知ってもらいたいと思っております。
(博士@交野タイムズ)
今回の交野ジェラートのような、「交野のよさ」を知ってもらうことは他に何かされているのでしょうか?
(出村所長)
今年の2月からは、「交野八景」をテーマにした給食を提供しようと思っております(取材日1月26日)。
例えば、2月は獅子窟寺をテーマにした給食を考えております。
また、4月には、妙見の桜をイメージした給食を提供する予定としております。
(博士@交野タイムズ)
ありがとうございます。
給食開始55年ということですが、これまで変わらず拘ってきたことはございますか?
(出村所長)
私が調理員として給食に携わるようになってから37年になりますが、その間拘ってきたことは、だしで給食を作るということです。
給食はかつおだしを基本に作られております。
だから、肉じゃがとかのだしを使ったメニューが多かったと思いませんか?
(博士@交野タイムズ)
確かに、言われてみればそうだったような…
言われると、総じてやさしい味の給食だったと思います。
では、次は変わったことについてお伺いしたいと思います。
自分が学校給食を食べていたころは、アルマイトの食器に先割れスプーンが使われていました。
現在はどのような食器をお使いでしょうか。
(出村所長)
アルマイトの食器や先割れスプーンは現在使っておりません。
今は、樹脂製の食器に先が丸いスプーンが使われています。
(博士@交野タイムズ)
最後に、これからも交野の学校給食は続いていくかと思います。
これからの交野の学校給食について取り組んでいきたいことなどあればお聞かせください。
(出村所長)
交野産食材を積極的に取り入れていきたいと思っております。
野菜や米だけでなく、『かたのルビーコロッケ』のように交野産食材を使用した商品も積極的に活用していきたいと考えています。
また、商連さんなど様々な交野の団体さんなどとも、今後もいろいろな形で協力していけたらと思っております。
(博士@交野タイムズ)
出村所長、原園所長代理、どうもありがとうございました。
(謝辞)
今回インタビューにお答えいただいた、おりひめ給食センターの出村所長と原園所長代理に改めて御礼申し上げます。また、写真を提供していただいた交野市情報マーケティング課の関係者にも御礼申し上げます。
(お願い)
本記事が配信される頃には、すでに交野ジェラート星野さんちのみかん味は完売になっている可能性がございますので、ご購入を希望される方は交野ジェラート販売店(はれらに食堂 072-894-0687)に事前にご確認ください。
記事:博士
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