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交野のさらなる国際化をめざして―奥 義隆氏インタビュー

交野市がカナダのコリングウッドと姉妹都市協定を結んで40年超となります。

その間、両市は様々な形の国際交流を行ってきました。

最も近いところでは、昨年(2023年)交野市長を団長にコリングウッドへの姉妹都市親善訪問が行われています。

また、来年(2025年)は、コリングウッドからの姉妹都市訪問団が交野へやってくる予定となっています。

現在、コリングウッドとの姉妹都市交流の窓口となっているのは、京阪電車の郡津駅前にある特定非営利活動法人 交野市国際交流協会です。


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郡津駅の改札を出て正面にある建物が交野会館。

交野市国際交流協会はその建物の中にあります。
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交野市国際交流協会がある郡津駅前の交野会館

同協会は、市の外郭団体の一つであった姉妹都市協会が再編される形で2006年に誕生しました。

先述のように、来年度はコリングウッドの方々を交野にお迎えする予定はもとより、来年開催される大阪万博関連で言うと、交野市は、ヨーロッパのルクセンブルク大公国が万博の出展時に使うパビリオンを万博後にもらい受けるという話があり、その一環として交野市とルクセンブルク市との友好都市関係の構築に向けた話も行われると言われております。

にわかに交野の国際交流がここ何年かの間で活気を見せようとしている中、改めてこれまでの交野の国際交流について考えてみたいと思います。

そこで今回は、国際交流協会設立時から一昨年(2022年)の3月まで理事長を務められた、「ミスター交野の国際化」こと奥 義隆さんにこれまでの交野の国際交流活動やご自身の活動、そしてこれからさらに交野の国際化を目指すにはどうすべきかなどについてお話を伺いました。

(博士@交野タイムズ)
「本日はよろしくお願いいたします」

(奥さん)
「よろしくお願いいたします」

(博士@交野タイムズ)
「まずは、奥さんが交野の国際交流活動に関わるきっかけとなったお話からお聞かせ願いえますでしょうか」

(奥さん)
「私が交野の国際交流活動に関わり始めたのは、今から約40年ほど前にできた交野ロータリークラブがきっかけでした」

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奥 義隆さん

「ロータリークラブは、青少年交換プログラムや海外の大学で学位を取得するための奨学金制度などを実施しています」

「以前、交野の姉妹都市であるカナダのコリングウッドのジョージアンカレッジから、「夏は暇だから誰か学生を派遣してほしい」という依頼がきました」

「交野がコリングウッドと姉妹都市関係にあるということを知っていたので、ジョージアンカレッジにロータリーとして学生を派遣するプログラムを実施しました」

(博士@交野タイムズ)
「ありがとうございます」

「それでは、当時の姉妹都市協会や現在の国際交流協会に関わるようになった経緯をお聞かせください」

(奥さん)
「姉妹都市協会ができた頃は交野市工業会の会長だったため、直接協会の活動には関わっておりませんでした」

「しかし、平成不況が起きた際、姉妹都市協会のフロア会員でもあったことから、今後の協会の運営の在り方を検討する任を預かるようになり、副会長に就任し交野としての姉妹都市交流活動に関わるようになりました」

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国際交流協会の前身である姉妹都市協会副理事長としてコリングウッドを訪問
(2004年)

「いろいろな方々と協議した結果、姉妹都市協会を市から切り離し、非営利活動法人(NPO)に改組するという結論に至りました」

「こうして、2006年に現在の交野市国際交流協会が発足しました」

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国際交流協会への移行式
(2006年)
(博士@交野タイムズ)
「交野市国際交流協会が発足すると同時に、協会の初代理事長にご就任されましたが、これまでコリングウッドへは何回訪問されたのでしょうか」

(奥さん)
「姉妹都市協会の時代から含めると、確か8回コリングウッドへ行ったと思います」

「最初のころは、コリングウッドは本当に田舎街という感じでした」

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姉妹都市提携35周年記念の時

「ところが、次第にコリングウッドも発展し、2017年に訪問した折には、街が都市化していてその発展スピードに驚きました」

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2017年のコリングウッド訪問の様子

「コリングウッドは、夏は淡水浴、冬はスキーリゾートとして知られており、また仕事をリタイアしたトロントなどの人たちが、のどかで雄大な自然の地を終の棲家として移り住んできています」

(博士@交野タイムズ)
「ありがとうございます」

「交野市国際交流協会の理事長のモットーとして、「交野の国際化」ということを仰られていたかと思います」

(奥さん)
「他市に比べ、いわゆる「交野の国際化」は若干後塵を拝す状態であると言えます」

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2019年のコリングウッド訪問団来交時の歓迎パーティーでのスピーチ

「一方で、若い世代では外国語を学ぶ人たちも増えてきています」

「また、生涯学習という意味においても外国語を勉強するというのは、非常に有意味なことであると思っております」

「国際交流協会では様々な語学プログラムを、市価の類似の教室より安価な値段で提供しています」

交野市国際交流協会の語学プログラムについては協会ホームページをご覧ください
↓ ↓ ↓ ↓


「新しい世代が外国を学ぶ機会、もしくは生涯学習として外国語を学ぶ機会を国際交流協会が提供することで交野の知的教養レベルの向上に貢献し、ひいては市外からの定住促進にもつながると思っています」

「市民レベルの外国語習得も重要ではありますが、市役所職員もまた外国語の習得が必要ではないかと考えております」

「というのも、市外からの定住促進は何も日本人に限ったことではなく、日本で働く海外の方々たちもおられます」

「こうした方々が日本でつつがなく暮らすためにも、市の職員が外国語を習得したり、市の採用枠に外国語の堪能な人の枠を設けるなどすることも必要ではないかと思います」

(博士@交野タイムズ)
「ありがとうございます」

「最後に、昨年の5月に、大阪府から「憲法記念日知事表彰」を受賞されましたが、その感想とこれからの抱負などについてお聞かせください」

(奥さん)
「昨年の5月に「憲法記念日知事表彰」を大阪府から頂きました」

「この表彰を受けたことで一区切りとするのではなく、「さらに交野の国際化のために汗をかけ」という啓示だと思っております(笑)」

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「憲法記念日知事表彰」の賞状を指さす奥さん

「若いころは、受験のために英語の勉強はしていましたが、正直なところ英語は大嫌いでした(笑)」

「しかしながら、大学を卒業し社会に出ると、英語の必要性というのをひしひしと感じさせられました」

「そんなこともあって、自分の子どもたちには語学で苦労させまいと思い、ジョージアンカレッジに短期留学させたりして語学を学ぶ機会を与えました」

「外国語を学ぶことは、その後の人生の可能性を大きくしてくれます」

「事実、ジョージアンカレジで学んだ私の子どもは、現在、アメリカで仕事をしています」

「日本のサッカー選手や野球選手が海外で活躍していますが、これからはスポーツをする子どもたちに、スポーツだけではなく外国語の習得もさせることが益々求められるかと思います」

「交野市においては、他市にはない独自の青少年育成という観点からも、国際的に活躍する人材の育成に国際交流協会も協力しながら向かってほしいと思っております」

(博士@交野タイムズ)
「本日はありがとうございました」

(奥さん)
「ありがとうございます」

多くの地方自治体が財政難などの理由から海外都市との姉妹都市交流を断念する中、交野市は、それを担う組織形態は変わったものの、40年以上という長きにわたってコリングウッドとの姉妹都市交流活動を続けています。

現在は、郡津にある交野市国際交流協会が、コリングウッドとの窓口として、姉妹都市関係の維持発展のために交野市と共に尽力しております。

先述のように、今後、新たな交野の友好都市としてルクセンブルク市が浮上していますが、「交野の国際化」を標榜する国際交流協会と交野市が中心となって、コリングウッド同様、交野市民の皆様にそこの成果を享受していきたいと思っています。

奥さんをはじめとする交野の国際交流のために尽くしてくれた方々たちの努力を無駄にせず、これからも世代を超えて「交野の国際化」を目指していかなくてはならない、と今回のインタビューを通じて改めて思いました。

(謝辞)今回インタビューにお答えいただいた、奥 義隆さんに改めて感謝申し上げます。






記事:博士
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ライター:katano_times katano_times


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