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【カタノテツ】交野の鉄道ものがたり:file.48 片町線を走ったC11という機関車〈その9〉


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交野を走る鉄道のことを、新旧おりまぜながら、『明円勝(Masaru Myoen)さん』と、時々『駐在員さん』の写真等のご協力により紹介しております。

今回は『明円勝(Masaru Myoen)さん』によるカタノテツです。


カタノテツfile.48

片町線を走ったC11という機関車〈その 9〉

蒸気機関車の運転室は冬寒い

冬場、蒸気機関車の運転室は寒い。

逆転ハンドル、ブレーキハンドル、空気作動弁ハンドル等どれも冷たく、軍手無しでは操作出来ないものばかりです。

座席後ろにドアがある蒸気機関車は、ドアを閉めるとある程度密閉されて風が通りにくい事と、ボイラーの後部が部屋に突き出ている大きなストーブを抱えているので、停車時は温かいそうです。

運転中は、特に高速旅客列車や重量貨物列車を牽引する場合は、ボイラーの焚き口に石炭を投炭作業時の機関助士は重労働で、冬でも汗ばんで火室を覗き込む顔は、かなり熱かったそうです。

しかし暑ければ窓から顔を出して冷やすことも、寒ければ焚口戸を開けて温まる事も出来ました。

一方で機関士は、運転中に席を離れる事も、窓を閉める事も許されず、左半身は唸るほど冷えて、右半身はボイラーの熱で、激しい温度差に悩まされたそうです。

1969年12月 
津田-長尾 
C11175(奈)

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↑片町線では、時折ドアと窓を閉めた状態で運転されていた事もあった様に思います。


C11は、C10やC12と共に石炭庫がエンジン部と一体構造なので、密閉式運転室となって窓やドアを締め切ると、寒さは多少防げたそうです。

テンダー式の場合は、エンジン部にテンダーが連結されていて、C型においてC57までは解放式の運転室を採用しており、寒風が吹き込んで前進運転はさて置き、バック運転時の雨や雪はテントを張ってもかなり風雨が吹き込んで、時にはテントの端がテンダーの引っ掛け金具から外れて、バタバタと暴れて仕方が無いので、覚悟を決めて巻き上げて、ずぶ濡れで運転する辛い環境だったそうです。

一方で密閉式は、運転室後部に妻板があって、側面のドアを閉めると妻板の効果で、かなり密閉されましたが、C59以降は夏場の高温対策か、妻板上部を解放しています。


大阪城公園内コンビニ横 
C5866

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↑この角度から見ると、ドア後部の妻板が良く見えます。

運転室後部の妻板と左右のドアの効果は、冬も夏もあった様で、北海道では密閉式に改造された罐が多数見られました。

1970年3月8日 
梅小路機関区 
C57190(梅)
C57四次型

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テンダー式での密閉式運転室の採用は、流線形等特別な仕様を除いて次ぎの通りです。

C型ではC57(4次型)・C58・C59・C60・C61・C62
D型では採用されず

北海道では防寒対策として、C55・C57・D51・D52・*D61の一部に運転室密閉改造が実施されました。
*D61は1~6の全機改造実施


2023年7月15日
D613はD61の中で唯一留萌市美晴公園で保存継続中。
冬場はブルーシートで覆われています。

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D613は、道の駅に移設保存する為の検討が開始される様です。
実施される事を心から祈ります。


2014年4月20日 
梅小路蒸気機関車館C551(梅)

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製造当初の解放式から、密閉式に改造された運転室は、北海道名物仕様で、京都鉄道博物館のC551にも密閉改造の運転室が確認出来ます。

つづく


0_お菊
お菊のひとこと毎日暑い日が続きますね。
機関士さんは、夏は暑く、冬は寒く、さぞ過酷だったことでしょう。

交野も走ったとされる C11という機関車。
その歴史をさぐってみるのも、夏休みの自由研究にいいかも!?


▼『カタノテツ』バックナンバーはこちらから



  明円勝さん(Myoen Masaru)プロフィール


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1956.1.25生まれ
大阪府守口市出身
大阪工業高等専門学校 機械工学科卒
音楽好き、淡水魚好き、鉄道好き

撮影 文章:明円勝さん
記事編集:お菊
お菊過去記事はこちら

ライター:katano_times katano_times


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