交野市長単独インタビュー【新春特別企画】
ご存知のように、山本市長は、一昨年の交野市長選挙において初当選なされました。
今回は交野タイムズの特別企画ということで、お忙しい公務の合間を縫ってインタビューさせていただくことができました。
山本市長、並びに交野市役所秘書政策課の方々に改めて御礼申し上げます。
また、今回の写真は、特段の断りがない限り、交野市役所情報マーケティング課のご協力を仰ぎました。
ご協力頂いた情報マーケティング課の方にも深く御礼申し上げます。
ちなみにですが、今回インタビューアーとしてお話を伺わせていただいた私、博士@交野タイムズは、政治学の博士号を取得しております(なので「博士@交野タイムズ」と呼ばれている)。
そうしたこともあり、いわゆる「交野政治」が今後どうなっていくのかを探るべく、「交野政治」のキーマンの一人である山本市長に今回お話を伺うことといたしました。
尚、インタビューは、1月9日(火)に市長室で行わせていただきました。
以下、山本市長とのインタビューの内容をご紹介させていただきます。
(博士@交野タイムズ)
本日は、お忙しいご公務の最中、貴重なお時間を頂戴し本当にありがとうございます。
(山本市長)
宜しくお願い致します。
(博士@交野タイムズ)
まずは、1月1日に発生しました石川県能登半島地震への交野市としてのこれまで(1月9日時点)のご対応についてお聞かせください。
(山本市長)
交野市の支援としましては、大きく3つに分けることができます。
それは、消防支援、給水支援、そして物資の支援の3つです。
まず、消防支援については、1月1日に消防援助隊を市として派遣致しました。
同援助隊は、金沢競馬場などでの後方支援を担い、他市の消防士の方たちのための食事や就寝場所の確保などの支援を行っております。
次に給水支援ですが、富山県高岡市から支援の打診がございましたので、1月3日に大阪府下で一番に給水車を派遣致しました。
1月5日に断水が解消されましたので給水車はいったん交野市へ戻ってきております。
その後、大阪府の支援のカウンターパートが輪島市になりました。
しかしながら、道路状況が悪く給水できる場所がないため、現時点(1月9日時点)では派遣が困難な状況となっております。
物資の支援に関しましては、1月3日に石川県小松市の市長から物資の支援要請がありましたので石川県に物資を提供致しました。
また、1月5日に輪島市への道が一応回復致しましたので、輪島市に交野市として直接ヒヤリングを行って必要物資を提供致しました。
トラック協会さんと交野市は災害時の協定を結んでおり、その協定は交野市で災害が発生した折の協定なのですが、それを準用し、交野運送さんのトラックを借用し物資を輪島市に送りました。
(博士@交野タイムズ)
ありがとうございます。
今回の地震では今も多くの方々が避難を余儀なくされております。その方々が一日でも早く日常を取り戻すことができるように、交野市をはじめ市内の様々な団体や市民が一体となって協力できるイニシアティブを市長にぜひ執って頂きたいと思っております。
次に、今回の地震を受けまして、交野市の防災施策についてお教えください。
(山本市長)
今回の石川県能登半島地震の発生を鑑みた時、私の考えている市庁舎の建て替えではなく一旦耐震化という考えは間違っていなかったと思います。
と申しますのも、もし建て替えとなると完成までに大変長い期間がかかります。
その点でも市庁舎を一旦改修工事という考え方は間違っていなかったと思っております。
また、防災倉庫を交野市土地開発公社の土地に設置するというのも間違った方針ではなかったと思っています。
今回の能登半島地震では、道路状況の悪化で物資の輸送が困難なところが多発しています。
また、阪神淡路大震災の折、がれきの中に閉じ込められていた人を助けたのは主に市民でした。
こうしたことから、交野市内の各地域に必要な物資を事前に備蓄しておくという分散型の防災施策という方針は間違っていなかったと思っております。
(博士@交野タイムズ)
ありがとうございます。
さて、市長にご就任されてから約1年3か月となるかと思いますが、これまでの感想をお聞かせ願えるでしょうか。
(山本市長)
思った以上に大変な仕事だと感じました。
民間の会社で言うなら、選挙で社長が選ばれますが、他の人は選挙できない。
市長は選挙でえらばれる一方、副市長や他の幹部職員は選挙で選ばれているわけではありません。
民間なら、社長が変われば一定の取締役も社長が選ぶことができますが、市長の場合はそうはいかないという点でなかなか大変な仕事だと感じています。
(博士@交野タイムズ)
確かに、市長が当選した時、「新市長にとって、しばらくの間はなかなか大変な仕事になる」と、私も感じておりました。
アメリカ大統領制の話を持ち出すまでもありませんが、大体就任1期目は、前政権の残務処理にそのほとんどを費やさなくてはならず、自分のカラーが出せるのは2期目の時と言われます。
もとより政治の規模の大小はありますが、市長も前の市政の処理に大きく時間を費やされている中でも、少しずつではあるとは思いますが、山本カラーを出した政策を進められようとしているかと思います。
残務処理をしつつも、約1年3か月の中で取り組んだ主な施策についてお教え願えるでしょうか。
(山本市長)
まずは財源の確保を実現したことです。
役所の仕事はお金がないと何もできません。
お金があれば政策も実行できるし、人を雇うこともできます。
役所の場合、メーカーと違って売れるものがありません。
ではどうしてお金を稼ぐかというと、今あるお金を使って稼ぐという方法です。
確かに市の借金は膨大です。
でも一方で、貯金もそれなりにありました。
なので、それを運用して利益を上げる。
また、借金の金利を下げてもらい、高い金利の借金を前倒しで返済をする。
これをしただけでも1億6000万円の財源ができました。
これまで土地開発公社の借金を返済していましたが、公社の持つ土地に防災倉庫や防災設備を整備することによって地代の7割の補助が出ます。
(博士@交野タイムズ)
確かに、交野市も他の地方自治体同様、財政的に厳しい状況にありますが、かといって行政サービスをやめるというわけにもいきませんしね。
(山本市長)
借金は減らさないといけない一方、住民サービスは充実させなくてはいけない。
一見、相矛盾するものですが、それらを実現する方法は「お金を稼ぐ」ということです。
(博士@交野タイムズ)
市長就任から様々な施策を実施して財源確保に努めてきたことは理解しました。
今後もそれは続けられるとは思いますが、その中で、2024年特に取り組みたいことをお聞かせください。
(山本市長)
やはり、まずは防災に関する施策を具体的に進めていきたいと考えております。
ひとつは、中学校の体育館に防災目的としてエアコンを設置しようと思っております。
もちろん、防災目的ではありますが、普段も使えるようにしたいと思っております。
それから、役所の耐震化も始められる状況なので、設計から始めたいと考えております。
(博士@交野タイムズ)
ありがとうございます。
ところで、交野タイムズの読者さんの中には、「市長ってどんな役割なの?」とお思いになられている方もいらっしゃるかと思います。
簡単で結構でございますので、「市長」という役割についてお教え願えるでしょうか。
(山本市長)
「市長」の役割とは、一言でいうと「市の代表」。
そして、「市役所のトップ」という2つの側面があると思っています。
市長は市の代表であるとともに、交野市役所の正職員約500名のトップでもあります。従って、それら交野市役所の職員のマネージメントもしないといけないという側面もあると思っています。
なので、この2つの側面をコントロールするのが市長という役割だと考えています。
(博士@交野タイムズ)
先ほど、市長就任から取り組まれたこと、そして今年取り組みたいことをお伺いいたしましたが、市長のアイデアというのは、やはりこれまでのキャリアが大きく影響しているのでしょうか。
(山本市長)
もちろん、自らの過去の経験というのもあります。
しかし、今はかつての市の運営とは違って、各部局からの情報をすべて市長にあげてもらうようにしています。
そうした情報をもとに、市長ないしは企画財政部の方で判断するようにしています。
様々な情報に接することで、こちらでベストものを判断するようにしています。
(博士@交野タイムズ)
ありがとうございます。
確かに、政策を決めるうえで情報というのはそれを判断する最も重要な要素のひとつですから、できるだけ様々な情報に接するというのは大事なことだと思います。
ところで、今は市長という重職におつきではありますが、決まったお休みとかはあるのでしょうか。
(山本市長)
決まった休みはありません。
ただ、結果として役所の業務が入っていない時とかもございますので、それが休みということになるかと思います。
市長の仕事とは「労働」というより「自営業」に近いものだと言えます。
なので、一般の会社員の方々とは違って、決まった労働時間があるわけではありません。
しかしながら、常に決裁や報告が上がってくるので、常時役所の中にいた方がいいとは思っております。
(博士@交野タイムズ)
私もこれまで様々な交野市長を見てきましたが、特に驚いたのは、子どもたちが市長の周りに集まってくる光景を何度か見た時です。
子どもたちに好かれている理由は何だと思われますか。
(山本市長)
でも、子どもたちは「市長」と言わずに、「にせもの」っていうんですよ(笑)
子どもたちに「にせもの」って言われるので、自転車に「ほんまに本人」と書いているんですが、余計に信じてもらえずにいます(笑)
子どもたちに親しみを持ってもらっている理由の一つは、小学生たちが自転車に乗っているからというのがあるかと思います。
私も自転車に乗っているので親しみやすさを感じてもらっているのではないかと思っています。
交野市内の住宅地図も頭に入っているくらい、自転車で市内を走っています。
(博士@交野タイムズ)
それでは最後に交野タイムズの読者に向けてメッセージをお願いいたします。
(山本市長)
交野タイムズさんにはいつも世話になっております。
特にインターネットのメディアというのは今の時代に一番合っているメディアだと思っております。
市といたしましても広報誌とかを発行しておりますが、なかなかいろいろな方、特に若い方に向けた情報発信というのは難しいと思っております。
地域の情報を発信するという意味において、交野タイムズさんなどと協力をして情報の発信に努めてまいりたいと思っております。
(博士@交野タイムズ)
本日はお忙しい中ありがとうございました。
(山本市長)
ありがとうございました。
(謝辞)今回インタビューをお引き受けいただいた山本市長に深く感謝申し上げます。また、山本市長との調整を行っていただいた交野市役所秘書政策課の方々、並びに写真撮影等のご協力を頂いた情報マーケティング課の方々にも改めて御礼申し上げます。