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【カタノテツ】交野の鉄道ものがたり:file.19 学研都市線207系321系パンタグラフについて

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交野を走る鉄道のことを、新旧おりまぜながら、『明円勝(Masaru Myoen)さん』と、時々『駐在員さん』の写真等のご協力により紹介しております。

今回は『明円勝(Masaru Myoen)さん』によるカタノテツです。


カタノテツfile.19

学研都市線207系321系パンタグラフについて

JR学研都市線を走るJR西日本207系 321系電車の屋根上に搭載されたパンタグラフ(集電装置)において木津寄りの物だけがが折り畳まれている事に気づかれている方もいらっしゃると思います。
いったい何の為に折り畳まれたパンタグラフが搭載されているのでしょうか。



2022年3月16日
星田-河内磐船  
207系 クモハ207型

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学研都市線(京橋木津間)は架空電車線方式  直流1500V電化されています。
走る電車は207系と321系で全て7連です。
パンタグラフ搭載車は全て1車両に2基搭載されおり、通常木津寄りのパンタグラフは折り畳まれていてます。
では折り畳まれたパンタグラフは何時使われるのかと言うと、京橋から先の東西線を走る時に使われます。
その訳は東西線トンネル内は、剛体電車線を採用しているためです。

鋼体電車線採用の理由は、次の通りです
1.トンネルの断面を小さくして掘削コストを下げる。
2.トンネル内で電車線断線による車両火災を防止する。

鋼体電車線の構造は、トンネルの天井に、アルミ合金製の鋼体(断面がT字型)を取付て、その下にトロリー線を固定するものです。

学研都市線の架空電車線は、一般的にパンタグラフの追従性が良く、走行中の離線は防止出来ますが、東西線の鋼体電車線の場合は、構造上完全に離線防止することが出来ないので、その対策として2基のパンタをグラフを上げる事により、離線確立を下げています。

東西線で離線防止が必要となる理由は次の通りです
1.力行時の離線は加速がスムーズに出来ずスパークにより設備機器に悪影響が発生します。
2.ブレーキ制動時の離線は回生回路が途絶えブレーキが失効してしまいます。
電車は常にパンタグラフから受電出来ていることが重要ですね。



2022年2月20日  
大阪城北詰駅
鋼体電車線

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鋼体電車線の敷設にあたって、レール上面との距離を一定に保つことが非常に重要で、微調整が計られています。
学研都市線では2丁パンタグラフで走る必要が無いので、木津側(第1エンド)のパンタグラフは畳まれていますが、東西線トンネルの両端から京橋と尼崎両駅間では、7連で最大6基のパンタグラフを上げて走る姿を見る事が出来ます。



2022年2月20日 
京橋
普通 長尾行 207系

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▲東西線トンネルから出て京橋駅までの僅かな区間で、2丁パンタグラフ走行姿が見えます。



2004年5月23日 
尼崎
207系 旧塗装  
普通 東西線経由西明石行

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▲東西線から尼崎駅に到着すると、木津側(第1エンド)のパンタグラフを畳んで、神戸線を西明石に向かって走ります。



2004年5月23日 
尼崎
207系 旧塗装
快速 木津行

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▲宝塚線(福知山線)神戸線・京都線(東海道線)は片パン走行です。

JR西日本では103系105系113系115系117系221系223系287系等の一部の電動車に、パンタグラフを2基搭載する車両が存在しますが、冬場架線に付着する霜を除去する目的である為に、寒い時期のみ2丁パンタグラフとなります。



2014年5月3日 
山科駅
221系 クモハ221形

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▲普段は山陰線でよく見かける編成でした。



1999年1月9日 
山陰本線 京都-丹波口
113系 クモハ112形5300番台

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▲運転室の取り付け等ここまで改造されるともはや模型の世界ですね。



2014年3月8日  
和歌山
105系

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▲この車両は103系を改造したMT編成の105系です。



2016年6月16日 
加古川線 粟生
103系3550番台

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この編成は105系とは異なり強力なMM編成です。多くの改造を経ておでこにもパンタグラフを乗せた103系です。
103系は一時期片町線でも6連で活躍しました。

筆者はこれらの2丁パンタグラフの車両が好みで、学研都市線京橋のホームでパンタグラフが昇降する姿を観たり、その音を車内で聞くことを楽しみにしております。


写真/文:明円勝さん

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0_お菊
お菊のひとこと今回のカタノテツは『パンタグラフ(集電装置)』に焦点があてられています。
電車の上にあって、電流の線と接触するアレですね?

明円さんの詳しい「パンタグラフ解説」、詳しすぎてお菊@交野タイムズは目が点!

折りたたまれたパンタグラフの謎は、何回読んでもなかなかお菊@交野タイムズには理解するのが難しい。。。。この夏、繰り返し読んでパンタグラフ博士になってみようと思います。←絶対ムリ。

昔、京阪電車の「ファミリーレールフェア」にお出かけした時、パンタグラフでできた文鎮を買ったことがあります。
ひえええ〜文鎮になるくらい重い!太い!と関心しました。

→後日追記
それはパンタグラフではなく「銅の架線」から作られた文鎮、ということが判明!
失礼しました。パンタグラフが触れる電線の部分ですね!



『カタノテツ』バックナンバーはこちらから↓




  明円勝さん(Myoen Masaru)プロフィール


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1956.1.25生まれ
大阪府守口市出身
大阪工業高等専門学校 機械工学科卒
音楽好き、淡水魚好き、鉄道好き


記事:お菊
撮影:明円勝さん
お菊過去記事はこちら

ライター:katano_times katano_times


 コメント一覧 (2)

    • 2. めりべ
    • 2023年09月11日 18:05
    • 5 京橋駅で学研都市線に乗り込む時、音がして振り向くとパンタグラフが降りていくのを何度も見ました。
      何でだろう、2本のパンタグラフを交互に使ってすり減らないように?とか考えたり。長いことわかりませんでした。
      良くわかりました、ありがとうございます。そういや上がるところは見ていなかったと。
      今度列車を1本見送って動画を撮ってみます。
    • 1. ツルタロウ
    • 2022年11月28日 08:28
    • 5 姫路や加古川線で、活躍中の103系車両の一部に、片町線で、活躍していた車両が、改造されて走っています。
      地方ローカル線の2丁パンタの車両には、霜取りパンタを、装着している車両が有って、架線の霜を、除外する為に、前側のパンタの集電する所を、木にして、架線に当てて、霜を取っています。

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