日曜原始人~野苺を採取しジャムを作る日曜日~【連載小説04】
日曜日が来た。
「今日は何をしようか」
青年は部屋で転がりながら呟く。
出来れば今日も先週のように過ごしたいが何をしようか。
取り敢えず外に出てみることにした青年は、サバイバル用のリュックを背負うと、山に向かっていった。
なんとなく山を歩いていると、青年はとある物を発見した。
野苺である。
青年は若い頃に野苺をとって食べた事を思い出した。
他の場所をうろついていると、かなり野苺が生えていた。
この分なら結構な量を採ってもあまり生態系に影響は出なさそうだなと思った青年は取り敢えず採る事にした。
無心で採集する事30分。
短時間だが、想定以上の量が収穫できた。
家に取り敢えず青年は持ち帰ると、台所に野苺を出した。
普通に摘んでいても美味しいので、幾らかはつまみ用に取っておく事にした。
問題は残りの野苺である。
青年はノートパソコンを開いて『野苺 レシピ』と打ち込む。
完全に人任せである。
何個かのページを開いた後、青年は無難な野苺ジャムを作る事にした。
数十分塩水に漬け、買ってきたレモン汁を加え、砂糖を入れて適当な所まで煮込む。
そしてその後ジャム瓶に入れ、常温で冷やした。
いざ出来上がってみると、若干拙さはあるものの、かなりの出来映えとなっていた。
早速食パンをオーブンで焼くと、野苺ジャムを塗りたくる。
「いただきます」
合掌してから口を大きく開けてかぶりつく。
サクッという音と共に食べ、咀嚼する。
「うんうん、美味しいなあ」
青年は満足そうな笑みを浮かべながらそう言った。
ちなみにつまみ用の野苺は新作映画を見ながら、ビールを片手に食べた。
==つづく==
<日曜原始人>
中学生になった原始人、こども2が交野を舞台に描く小説。
日曜原始人
主人公は子ども2のようですが、24歳という設定のようです。
前回までのあらすじはこちら
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