星田の奥のほうに伝わる『石橋のキツネ』の話~地元で語り継がれる昔話~
星田駅から南星台を下ると見えてくる小道を入った奥のところです。
『石橋のきつね』というお話です。
むかしむかし、石橋の近くに仲むつまじく寄り添うきつねの親子が暮らしていました。
毎日仲睦まじく暮らす様子を、人々もよく見ていました。
毎日仲睦まじく暮らす様子を、人々もよく見ていました。
※手書きですみません。
ある時、近くの集落では、はしかが流行し、たくさんの子供が命を落としていました。
あるお家でも、幼い子供がはしかにかかりました。
苦しむ子を見て、お母さんとお父さんは嘆き悲しみました。
お父さんは、集落では「はしかにはきつねの舌が特効薬になる」と言われていたことを思い出しました。
山に出かけたところ、石橋に子ぎつねだけが佇んでおりました。
『自分の子のためなら、仕方ない。』と、連れて帰りました。
そのころ、お母さんぎつねは、いなくなった子ぎつねを必死で探していました。
人里のほうまで探しに向かうと…。
なんということか、舌を抜かれ、皮をはがされた、変わり果てた子ぎつねの姿を見つけてしまいました。
家の中では、人間の子どもの元気な声が聞こえてきました。
母ぎつねは泣きに泣き、悲しみ果て…
『ひとの子どもに きつねの子 子がかわいいのは皆同じ』
その集落では、毎夜、母ぎつねの怨念がつきまとうようになったのでした。
(おわり)
この地域に長く住んでおられる方から偶然に口頭でお聞きしたので、多少異なるところがあるかもしれませんが、今もきつねの生息するこの地域では、昔から動物たちの存在が身近にあったのだなと思いました。
子ぎつねの命を奪ってかわいそう、でももし自分の子供を守るためだったら?と思うと、うーむ…と考えさせられました。
たくさんの命をもらって生きているわたしたち。
いつの世も、そんな矛盾はつきまとうものです。
ただ、現代社会では、身近に感じづらくなっているのかもしれません。
古い歴史を持つ交野。
鉢かつぎ姫をはじめ、もっとたくさんいろんな昔話が眠っているのかもしれませんね。
またおもしろいお話があれば、ぜひご紹介したいと思います♪
ひふみ@交野タイムズ