参院選公示 11氏 梅雨空つき舌戦
参院選が4日公示され、大阪選挙区(改選定数4)は、現職1人、新人10人の計11人が立候補した。午前中に府選管への届け出を終えた候補者たちは早速、時折小雨がぱらつく梅雨空の下に飛び出し、それぞれの政策を有権者に訴えた。17日間の選挙戦では、安倍政権の経済政策「アベノミクス」への評価や社会保障政策などで、舌戦が繰り広げられそうだ。候補者たちの公示日を追った。(届け出順)
◇東候補
日本維新の会の党勢回復のため、本拠地の大阪でトップ当選を目指す。午前の第一声から夜まで橋下共同代表や松井幹事長、東国原英夫衆院議員らが密着し、大阪市の市街地を街頭演説して回った。JR大阪駅前では「既得権の壁をぶち破る。それを実現できるのは維新の会だけ。なぜか。既得権をもつ団体から応援を受けていない」と、〈改革政党〉をアピールした。
◇藤島候補
大阪市中央区の高島屋大阪店前などで街頭演説を行い、キャッチフレーズの「原発なくても電気はたりる」を強調して脱原発を訴えた。稼働している福井県の関西電力大飯原発3、4号機について「北海道から九州まで原発は止まっているのに2基だけが動いている。電力不足なら仕方がないが、電気は余っている。大阪の人は怒らないといけない」と語った。
◇森候補
大阪市北区の南森町交差点で第一声に臨んだ後、商店街を練り歩いたり、駅前で街頭演説をしたりと、精力的に回った。午後1時半からは同区のヨドバシカメラ梅田店前に立ち、買い物客らに向けて「消費増税をやめさせ、景気回復に向けた道を切り開く。皆様の生活をしっかりと守っていく。夢と希望と、チャレンジできる社会を作っていきたい」と訴えた。
◇梅村候補
大阪市役所前で、応援に駆け付けた細野幹事長や蓮舫参院議員らと一緒に「ガンバロー」と拳を突き上げた後、選挙カーに乗り込んで遊説をスタートさせた。同市旭区の千林商店街では、買い物客らと握手を交わし、「社会保障や医療など命に関わる施策について力を入れたい」とアピール、寝屋川市や、交野市などへも足を延ばし、街頭演説を重ねた。
◇長嶺候補
大阪市の府庁前で第一声を上げた後、地元の枚方市で街頭演説し、安倍政権の金融緩和と財政出動の政策を「金融、財政破綻に追い込まれる可能性がある」と批判。政策転換を掲げて「金融、財政の不安が払拭され、日本企業が自由で創造力を発揮できる環境が整えば、必ず企業は自律的な成長軌道に乗れる」などと訴えた。その後、選挙ビラ作りなどを行った。
◇杉候補
大阪市役所前での第一声の後、同市北区や東大阪市など5か所で演説し、「景気、経済の回復をしっかりと成し遂げたい」などと声を張り上げた。夜は大阪市のJR天王寺駅前で、石川博崇参院議員と街頭演説。公認会計士として企業を支えてきた実績を強調し、「会計、経済の専門家として国民の皆様のお役に立たせていただきたい」と支持を訴えた。
◇中村候補
府庁前での第一声で、来年4月に予定されている消費増税の前に政治改革が必要として「最初にすべきことは国会と地方の全議員の半減と、議員報酬の半減」と強調。さらに、「保育所の増設で共働きでも子育てがしやすくなり、少子化対策につながる」と訴えた。この後は地元・堺市に戻り、市役所前と泉北高速鉄道泉ヶ丘駅前で街頭演説を行った。
◇辰巳候補
大阪市のJR天王寺駅前で第一声。商店街や駅前で演説を繰り返し、ツイッターで手応えをつぶやいた。午後6時から同市北区で行われた街頭演説には志位委員長が駆けつけ、「利権政治の自民党か、国民の声で政治を動かす共産党か」と「自共対決」をアピール。辰巳候補も「消費増税ストップ、憲法変えたらアカンの声を届けさせて下さい」と訴えていた。
◇安座間候補
JR大阪駅近くで第一声を上げた後、みんなの党の比例候補と一緒に選挙カーに乗り込んだ。大阪市阿倍野区の超高層ビル「あべのハルカス」前の街頭演説では「ぶれない、曲げない、崩れない第3極の筆頭として大阪の思い、夢を託してほしい」と声を張り上げた。地元の池田市なども精力的に回り、しがらみのない政治や規制緩和に取り組む姿勢をアピールした。
◇吉羽候補
市議経験のある地元・寝屋川市の京阪香里園、寝屋川市両駅前に立ち、「生活を圧迫する消費増税ではなく、まずは国会議員の定数削減や社会保障制度の抜本的な改革(が必要)だ」と強調。さらに、アベノミクスについて「効果は皆さんの家庭にまで浸透しているのか」と批判した。午後から大阪市内を回り、キタやミナミで有権者に支持を求めた。
◇柳本候補
午前10時頃、大阪市西成区の選挙事務所前で選挙カーに乗り込み、同市中央区の高島屋大阪店前やJR天王寺駅前などに移動して街頭演説を行った。応援に駆け付けた甘利経済再生相は「アベノミクスに実行できる力を与えてほしい。柳本さんを圧倒的多数で当選させてほしい」と訴え、柳本候補も「衆参のねじれを解消させて下さい」と声をからした。