昨年、2018年12月8日、倉治にある交野市立倉治図書館2階視聴覚室で交野市内にある古文書の調査の様子を一般公開するイベントがありました。

同イベントは、大阪大学大学院文学研究科日本史研究室と交野市が、市内にある古文書を共同調査していることを一般の方々に知ってもらうことを目的に開催されました。

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修復・分類作業の様子

現在、日本史研究室の村田路人教授の指導の下、同研究室の学生や交野市立民俗資料室の学芸員らが交野の古文書の修復・分類作業を行っています。

今回はその様子を簡単にご紹介!

今回の一般公開では、私部の無量光寺に所蔵されていた古文書の修復・分類作業の様子が公開されました。

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無量光寺の古文書

無量光寺は浄土真宗本願寺派の歴史あるお寺で、周囲の相善寺、光通寺と並んで今なお多くの人々の信仰を集めています。

今回修復・分類作業が行われ文書は、江戸中期の寺の様子が記された古文書だそうです。

和紙は現在使われている紙よりも耐久性に優れており、現在の紙では和紙のように何百年も当時の記録と留めておくことはかなり難しいそうです。

とはいえ、古文書はかなり昔のものなので、折りたたまれている場合慎重の上にも慎重にそれを開く作業をしないといけません。

また、和紙は天然の素材から作られているので、分類作業で使用するインクや糊も化学物質の入っているものを使うのを避け、墨汁や天然の素材でできた糊を使って資料へのダメージを極力抑える必要があります。

全てが手作業
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分類のために必要なラベルも墨汁を使ってひとつずつ手作業で印字。

慎重で根気のいる繊細な作業です。

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ラベルを丁寧に張り合わせる様子

古文書は、めっちゃデリケートだ!

このように古文書の修復・分類作業は、とてもデリケートな作業を長期に渡って続けなくてはならない根気のいる作業。

今回の古文書修復・分類作業を取りまとめている、大阪大学大学院文学研究科日本史研究室の村田路人教授にお話を伺うことができました。

「今回こうしたプロジェクトをお引き受けすることになった経緯は、2017年に私の研究目的で交野を訪れたことがきっかけです」

「交野にある古文書の調査をした際、それらが未調査のまま整理がされていないことがわかりました」

「こうしたことから、市の文化財担当者に掛け合い、市と日本史研究室が共同で交野の古文書の修復・分類作業を行うこととなりました」

「本学の日本史研究室は学部生・院生が同じ研究室で日頃研究を行っており、2018年9月28・29日には、本学学部生・院生並びに交野の西川学芸員をはじめとする文化財関係者約40名が、2日間にわたり(実際は3日間を予定していたが最終日は台風のため中止)私市の星の里いわふねで作業を行うための合宿を開催しました」


以上のような経緯から交野と大阪大学の古文書調査が始まりました。

次に村田教授は、「正直なところ、交野の古文書調査は、他市に比べかなり遅れています」

と厳しいご指摘をされたうえで、

「古文書を読むことで地元の歴史を後世へ伝えることができ、この街の人々が当時どのような暮らしをしていたかを知る貴重な手がかりです」

と古文書調査の意義をお話されました。

歴史というと、「何々時代」や「何々幕府」といった、いわゆる「王朝の歴史」と呼ばれる為政者の歴史に目を向けがちですが、当然各時代には後世に大きな偉業を残すことのなかった「庶民」が多数存在し、それらの人々を含めて一つの統治体制が成立していました。

そうした人々にも、もとより、歴史はあるのです。

そうした「庶民の歴史」を知るひとつの手掛かりが民家などから発見される古文書です。

最後に、村田教授はこうした作業を公開することで古文書に学術的価値があることを知ってもらい、「もしかするとうちの家にもあったかも」と気づいてくれる方々が増えることを期待していると述べておられました。

少しでも多くの古文書を調査することができれば、当時の時代状況を知る手掛かりとして精度の高いものが得られ、「交野の歴史はこうだったんだ」という知の発展にも大きく貢献することになります。

家にあるけど全く何が書かれているかわかりまへんねん!

という方も交野市の文化財担当者に相談するとご協力頂けるかもしれません。

もしかするとその古文書が、超歴史的発見の一級資料かもしれませんし、埋蔵金のありかとか、めっちゃ有名な戦国武将のお手紙なんていうこともあるかもしれません。

(謝辞)
記事にある写真は、交野市民俗資料室の西川学芸員のご厚意で提供いただいたものを掲載させていただきました。

西川学芸員並びに交野市教育委員会社会教育課文化財係、村田教授をはじめとする大阪大学の関係者の皆様のご協力に心から感謝申し上げます。